猫改造計画 幻のケットシー伝説
第一章 キャットルミューティレーション
天気の良い昼下がり。俺は友人のクロと一緒に散歩をしていた。
「今日もいい天気だなぁ。散歩日和だ。」
そんな話をしながら、公園へ向かっているときだった。
突然、太陽が2つになったと錯覚するような光が空に現われ、その光が俺たちの真上へ飛んできた。
「な・・・なんだ・・・これ?」
俺の体がフワっと浮き始め、光の中に吸い込まれていった。
(う・・・なんだここは・・・)
気がつくと3匹の見知らぬ猫が俺を覗き込んでいる。
???「気がついたかニャ・・・?」
(誰だ・・・?ここはどこだ・・・?声がでない・・・?)
???「無理に声を出そうとしない方が良いニャ。声帯を手術したニャ。」
???「実験は成功ニャ。地上に帰してやるから、もう少し寝てるニャ。」
そういうと彼らは俺に何かを被せる。
麻酔の類だろうか・・・意識が遠のいていく・・・
第二章 ニャンコ大地に立つ!!
「ここは・・・どこだ・・・?」
俺は知らない土地に立っていた。
・・・立っている・・・?
不思議なことに2本の足でしっかり立つことができていた。
しっぽでバランスを取れば歩くことも可能だ。
これが彼らの言っていた実験なのか?
しかし、この状態で人間に見つかれば見世物にされかねない。
人のいるところでは今までどおり4本足で行動しよう。
第三章 ケットシー
しばらく人間の町を歩いて様子をみていた。
人間の言葉は種類が多く、とても覚えられないと思っていた。だが、今は何を言っているのかわかる。俺を改造した奴らは「声帯を手術した」と言っていたから恐らく会話も可能だろう。
伝説の「ケットシー」という生き物はこうして生まれたのかも知れない。
ケットシーは王政と言われている。
猫の国を作って王になることもできるだろうか?
俺は猫の仲間たちを集め2本足での歩行方法や人間の言葉を教えた。
我々、猫を家畜か何かと勘違いしている傲慢な人間達に警告を与える。
こうして今もニャンコ達が黒い看板を書き換え続けているのである。
なお、ケットシーとその部下たちの人数は増加を続けている。
もし、2本足で起立・歩行する猫を見かけたら、それはケットシーとその部下たちに間違いないだろう。
-完-
あとがき
この物語は以前、「猫画像まとめ」の「茶番」で4回にわたって連載した「キャットルミューティレーション」シリーズを1話にまとめて加筆修正したものです。
「猫改造計画 幻のケットシー伝説」として改めて書こうと思った経緯は、「キャットルミューティレーション」が面白かったという声があったことと、「猫刑事シリーズ」を通しで読みたいという意見があったためです。
「猫刑事シリーズ」をまとめて1つの記事にする前に、「猫画像まとめ」で初めて小説風に書いたこの記事を無視するわけにはいきませんでした。
(今後「猫刑事シリーズ」も1つの記事にまとめてみます)
キャットルミューティレーションシリーズは「猫が1匹浮いている画像(ジャンプしただけ?)」と「手術台らしきところで3匹の猫が覗き込んでいる」画像の2枚の画像からスタートしました。
この2枚を基に話を膨らませて「ケットシー」と「(当時、猫画像まとめで使用していた)黒看板シリーズ」へと話を持っていったわけです。
「どういう話に持っていこうか」と会社でずいぶん考えていたことを思い出します。(おぃ、仕事しろよ(笑))
強引なところもあるかも知れませんが、あくまでも「画像」を中心に作った話ですのでご容赦ください。
以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。